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設立50周年を迎えられたHDC社のこれまでとこれから

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今や当たり前に使われているパソコンですが、一般に普及され使えるようになったのはここ20年ほどの最近のことです。今日は、今年設立50周年を迎えられた、会員企業のHDC社の50周年とこれからについて、熊谷常務と、鏡取締役のお二人に話を伺ってきました。

怒涛の変革期だった50年

HDC社が設立された1971年、当時の電子計算機はとても大きく場所を取るもの且つ、とても高価であったため、電子計算機を中小企業が保有し、業務に活かすことは非常にハードルが高いことでした。同社は北海道銀行や富士通の出資の元、電子計算機の共同利用を目的に設立され、北海道電子計算センターと名付けられました。銀行やベンダーが出資した会社と聞くと、親会社や関連会社のシステムを構築したり運用をする企業をイメージするのですが、HDC社はいわゆるユーザー子会社と言われる会社として設立されたのではないと言います。

当時同社が活用していた、電子計算機。

熊谷「当社は札幌総合卸売センター内の主要企業などの電子計算機の共同利用を目的に設立されました。ですので、一般的に多い出資している親会社や関連会社のシステムを作る、運用するといったような目的で設立された企業ではないのです」

電子計算機を共同利用し、給与計算などを受託する事を主業務として設立された同社ですが、パソコンの一般普及が進むに連れて電子計算機の運用ではなく、システムインテグレーターとして、企業などで使われるシステムの構築事業やパッケージの開発や販売事業へ舵を切っていきます。どのようにして、事業内容を変えていくことができたのでしょうか?

熊谷「変わったというよりも、変わらなければ生き残れなかったという方が近いのではないでしょうか。時代の流れに沿って事業内容を変えていく必要があったんです」

熊谷常務

この50年のIT業界の筐体の移り変わりを改めて考えてみると、ものすごく大きな変革が必要だったということもわかります。

電子計算機という大きな筐体を利用し基幹業務をするという仕事の仕方から、一人一台パソコンが与えられ、社内ネットワークに接続し社内にサーバーを設け、ソフトウェアを動かす時代に、そして、今やクラウドの時代で、パソコンが手元にあるのは当たり前、基幹システムもオンプレ型ではなく、クラウド型やWEBサービス型のものへリフトアンドシフトと言われる時代になりました。

記録媒体も、128KBから始まったフロッピーディスクが1MBになり、新しい記録媒体のCD-Rが発売され、USBそしてメモリーカード、SSDやクラウドサーバーへと変化をしていきました。今や、フロッピーディスクよりも小さいサイズでテラバイトのデータを保管できるSSDを持ち歩ける時代です。

HDC社が創業してからの50年はまさに目まぐるしく、状況が変化し、まさに怒涛の50年とも言える時代だったのではないでしょうか。
現在の事業内容と、顧客について

現在の同社の事業は大きく分けて5つあります。

・システムインテグレーション事業
・パッケージソリューション事業
・アウトソーシング事業
・オリジナルサービス
・エンジニアリングサービス

同社50周年記念動画より抜粋

事業内容も多岐にわたりますが、顧客も公共系から医療、法人、金融と、様々な顧客の要望に答え、ソリューションを提供しています。

公共系いわゆる行政や公共団体などのシステムのインテグレーションやパッケージシステムの提供というと、昨今話題のガバメントクラウド対応があるかと思います。実際のところ、各自治体の反応はいかがなのでしょうか?

熊谷「ガバメントクラウドの詳細要件がわからないことには、明確なことも言えないのですが、当社が販売をしている地方自治体向けのパッケージソリューションである「STARS Web Edition」を使っていただいている複数自治体と、現在話をしています。現状の業務と国が作成する標準仕様との差異をシステムに適用する(Fit&Gap)と、既存システム改修には新規システム構築と同等の膨大な工数がかかることが想定されています。また、当社のシステムを利用してくださっている自治体は、人口3万人以下の市町村が多く、中核都市の自治体を想定したシステムとは運用にかなり違い(業務の流れ、窓口の規模等)があります。今使っていただいている自治体については、お客様と今後どうしていくべきなのかという点を、一緒になって考えていくということが、私どものミッションだと思っています。」

政府の意向として、自治体のシステムはガバメントクラウドに載せるという方針が打ち出されてから早1年。詳細の要件は未だ出てこない状況で2025年という移行目標は刻々と迫ってきています。どのように対応すべきか、そして自分の自治体はその要件に対応できるのか、自治体の担当者としては、不安なことも多くあるかと思います。

そこに対して、丁寧に向き合い一緒に膝を突き合わせて解決策を考える、そういった真摯な姿勢が、50年間HDCを繋ぎ継続させてきたのかもしれません。
人を丁寧に育て土壌を作る会社

最後に、今後の展開についてお話を伺いました。

熊谷「今後については、まずは時代の変化に取り残されず、生き残り続けられる会社でなければいけません。北海道銀行グループや富士通といった株主の存在によって、安定安泰ということはありますが、それでも選ばれ続ける企業であるために変革を続ける必要はあると思います。そのためには、人材の育成が肝になると思っています」

鏡「Javaしかできない。Cobolしかできない。そういったスペシャリスト人材としての育成では無く、マルチに活躍できる人材を育てていく必要があると思っています。」

HDC社では、昨年から新卒採用時の新人研修は全て自社内で行われており、システム開発の研修から、ビジネスマナーの研修まで、全て同社の人事担当が企画し運営まで行われていると聞いています。

熊谷「Javaをマスターした後の、スキルマップやステップアップに関してのロードマップのようなものを作ってあげる必要もあるのかもしれないですね」

鏡「人材育成に手厚いという理由で、当社を選んでくれる学生も非常に多いです。専門学校からの卒業生よりも、大学を卒業してITエンジニアになりたいと、思った方が丁寧に教育をして育ててくれるからという理由で、当社を選んでくれることが多いのも特徴です。新卒が多いのもあり、会社全体で育てていこうという風土があるのも、教育体制が整うために非常に大事な要素だと思っています」

即戦力を求めがちなIT業界では、なかなか新卒や学生を受け入れて育てていこう!という風土にならない会社が多いのも事実です。そんな中で、HDC社のような企業があり、0からでも育てていってくれることで、IT業界に関わりたいと思った学生に対して間口を広げることができるというのも、北海道のIT業界にとっては非常に喜ばしいことなのではないでしょうか。

人を育てるということは、組織の風土を醸成するということだと思います。そしてそれは会社を継続していく上でとても重要なことであると同時に、とても難しいことでもあります。
丁寧に人を育ててきたからこそ、HDCさんの50年があったのかもしれません。

設立50年目、誠におめでとうございます。
取材を受けていただき、ありがとうございました!

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