北海道の食のDX拠点「北海道みらいキッチンGOKAN」で食の提案の未来を感じてきた!

今回、取材にお伺いしたのは「アイビック食品」さん。

アイビック食品さんは、ドレッシングやたれを作っている企業です。

札幌の中華の名店「布袋」さんはみなさん一度は耳にしたことがあったり、好きな方も多いのではないでしょうか!ただ、コロナ禍で外食を控える人が増え、飲食店の売り上げが下がる中、「布袋のザンギカレー炒飯の素」というのを、布袋さんとアイビック食品で作り販売しています。

先日、アイビック食品さんからこんなニュースが飛び込んできました!

「『北海道みらいキッチンGOKAN』オープンのお知らせ」
この度弊社では「北海道の食のDX拠点」をテーマに食に関わる全ての人・企業・地域のHUBとなる施設を目指して『北海道みらいキッチンGOKAN』を9月1日にオープンいたしました。

GOKANは「味覚、聴覚、嗅覚、視覚、触覚」の五感を刺激する、様々な食の提案が出来る施設となっています。試食会などのプレゼンテーションや料理教室にも活用できるセントラルキッチン、料理番組のような動画撮影・ライブ配信にも対応できる最新家電が揃ったオープンキッチンをはじめ、商品や料理のスチール撮影ができるスタジオもございます。

デジタルサイネージ(流通のMRが可能)、お部屋マッパーシステム(道内初)、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、照明調色システム(道内初)、配膳ロボット、香り発生装置、高性能スピーカーシステムなど五感を刺激する様々な仕掛けをご用意しています」

・・・・。

楽しそうすぎるじゃないか!!!!!!!

というので、早速訪問しお話を伺ってきました!

案内をしていただき、ドアを開けた先には
どーんと、GOKANの文字が!

そして、コーヒーはロボットのServiが運んで届けてくれました!

すごくきれいに、何にもぶつからず運んできてくれて、
元いた場所にスムーズに戻る様子に、「すごい!」と思わず口から出てしまうServi

とにかくすごいこの空間ですが、なぜ作ろうと思ったのでしょうか?

アイビック食品株式会社、代表取締役の牧野克彦さん、
常務取締役 経理部長 木村 知子さん、
DX推進課 課長の藤原宏之さんにお話を伺いました。

アイビック食品 代表取締役 牧野様

「私たちアイビック食品は、タレや、だしのOEM会社なんです。この会社の成り立ちのところからの話になるのですが、もともとは来年丁度創業100年を迎える、大正11年創業の株式会社アイビックという釣具の卸売業者が母体の会社なんです。

釣りというのは、御存知の通り趣味の領域の物になります。ゴルフや釣りといったような「趣味」のものに対する消費は、「衣食住」という生活に必須である消費の次に消費されるようなものですよね。そうなると、業績が景気にものすごく大きく左右されてしまう訳です。

先代は、趣味嗜好品の事業ではなくもう一つ事業の柱として、趣味の領域の事業ではなく、衣食住の仕事をやりたい。という思いをずっと持っていたんですよね。

そういった中で、縁あり食品事業を廃業しようとしていた方とのお話が進み、丁度25年前に株式会社アイビックの中で、食品事業部としてスタートしたのが、この会社の始まりだったんです。

現在では、液体調味料のOEMメーカーとして、和洋中何でもやります!!っていう企業では有るのですが、もう一歩先の中に具材の入ったものを作りたいよね。というので、惣菜メーカーを買って、現在は具材入りの物(レトルトのカレー等)も作れるようになりました。

販売や売上自体も、ものすごく順調に推移していたのですが、私たちの主なお客さんは観光地や空港、どさんこプラザのような観光+外食なんです。その結果、今回の新型コロナウィルスの影響を思い切り受けたんです。かなりこれはやばい、どんどん売上が落ちているぞ。という状態になって、何か違うことをやらなきゃいかん。という話になってネット販売やるかとか、越境ECやるかとかいろんな話が出たんです。

でも、社内から「外食さんにお世話になってきたんだし、外食さんが景気悪いから、外食産業にさよならして、違う販路をっていうんじゃなくて、徹底的に外食産業を応援しません?」って話が出てきたんです。

それで去年、外食さんの商品を、研究開発費無料で、今まであった縛りも全部なくしてやります!!って言って、とにかく製品つくりませんか?って、話をして歩いたんですよね。そしたらありがたいことにすごく好評で「製品を作るだけじゃなくて、売ってもくれて、いろんな写真撮りから外販までたくさんフォローしてくれて。物を作るのはすごく難しいと思っていたけど、アイビックさんで世話になって色々サポートしてもらってありがたい。」っていう声がすごく増えてきたんですよね。

丁度そのころに、GOKANの起案が出てきて「(観光が落ち込んで)売れないんだったら、売れるまでウチが持っていく所まで完全バックアップしよう」と。そんな流れで作った場所なんです。」と牧野社長。

北海道の食に関わる人達の交流拠点を目指して

GOKANの館内には、たくさんのタレやドレッシング、レトルトカレーなどのパッケージが並び、話を伺っている場所の前にはどーん!と大きなディスプレイが。

このディスプレイ。すごくおしゃれで近未来的な映像が流れるディスプレイだなー。と、取材中もちらちらと眺めていたのですが、なんとこのディスプレイ。

いろんな使い方ができるそうです。

1つ目は、マーケットリサーチ用の使い方です。

このような形で、売り場の写真をディスプレイに映すことで、開発しようとしている商品が、売り場で目立つのか、消費者に選んでもらえるパッケージになっているのかを、売り場に行かずとも確認をすることが出来ます。北海道には無い小売店での拡販や、海外店舗での販売をしたいときは今まで現地に行って見るしかなかったものを、デジタルの力で移動なく確認することができるようになっていました。これぞまさにDXという感じです!

2つ目は、画面ミラーリングによるライブ映像の投影です。

手元において撮影するのはもちろん、天井についているスマートフォンを固定する器具で固定をすると、今流行りな上から撮影した料理動画を撮ることも可能です!

また、奥にはGOKAN STUDIOという名の、撮影スタジオも用意されていました!
牧野社長が、カラカラと押してきた物を見ると、色とりどりのエプロンが!

「ライブ配信や動画撮影の時に、いつも同じエプロンじゃなぁ。と思ったりすると思う。ぜひこのエプロンの中から選んで使って欲しい」と、配信者の気持ちを汲んだ温かい心配りまで・・・。

余談:お手洗いのライトは女優ライト付き!!身だしなみを整えるのに、とてもテンションがあがる空間でした!(なんとバスルーム付きでした。)

しっかりと料理を作れて、そして配信、撮影までできるスタジオが札幌にはまだまだ少ないことから、こういったものがあったら取引先の役に立つのでは無いか。という発想から、細部にまでこだわって作られています。

配信ができるように作られているG型のセンターキッチン

本格的な調理ができる、I型のキッチン

(もやしや、野菜炒めなど、食品の匂いを体感できるスペース)

「完成以降、多くの方の見学や利用申し込みが入っていて、とてもありがたいです。北海道の食に関わる人達が交流出来たり、集まれるような場所になっていければ」と牧野社長は言います。

ここから新たな商品や、コラボレーションが生まれていくと思うと
とても楽しみになる空間でした!

ぜひ、食に関わる皆さんはご活用されてみてはいかがでしょうか!

<アイビック食品さん作成のコンベンションムービー>


入澤取材後記

まず驚いたのは、着席すると、コーヒーをロボットが運んできてくれたことです。実はロボット配膳の仕組みは前から気にはなってたのですが生で見たのは初めてでした。最初から「この場所はなんか違うぞ」と感じさせてくれました。



大きなサイネージで売り場をデジタルで再現し、パッケージの見栄えや色合いを同じ寸法で表現するというのが、この中で一番驚きました。本当はリアルに棚を作り、商品を置いて、売り場を再現しようと思ったらしいのですが、スペースの問題もありますし、またお客様が海外でも販売することを考慮し、海外のスーパーマーケットの陳列棚を現地の人に写真撮って送ってもらい、その中で、パッケージがどう見えるか?なんかもシュミレーションしてるそうです。画期的でしたね。これも一つのデジタルツインといえるでしょう!



今回のアイビック食品のDXの取組は、自分たちのDXというよりは、「お客様のDXをこの場で支援する」という意気込みが感じられました。これは今までの取材ではなかったアプローチです。お客様がデジタル活用で売上が上がってくれれば、その分OEM提供元である同社の売上が上がるというわけです。普通であればこのコロナ禍において、別の販路を模索してしまいそうですが、徹底的に飲食店やメーカーさんのサポートをし、販路の拡大を支援することが、同社にとって最善の経営判断であり、さらにはこのGOKANという場所を作り、DX支援もやっていくんだという姿勢には、IT企業ではできない食品業界DXの旗手として、北海道の食文化をデジタルで引っ張っていくんだ!という強い決意を感じ取ることができました。本当に素晴らしいです。心より敬意を表したいと思います。



今後はお客様の製品をこのGOKANで撮影し、外販のためのECサイト作りや、Youtube番組での配信、ネットテレビショッピングといった、デジタルマーケティングの強化のお手伝いや、、モバイルオーダーや、ロボット配膳などを体感してもらい、自分たちの店舗にも導入を促してDXを支援していこうというショールーム的な役割を担っていくでしょう。まさに、北海道の食のDX拠点となると思います。



コロナ禍により不況に嘆く飲食店や食品メーカーの皆さんが、この場所に来て、何かを感じ、デジタル技術で何か変革の糸口をつかんでくれると、食品業界のDXは進んでいくのではないでしょうか。このGOKANが、北海道の食文化のDX拠点として、全国に、世界に、北海道の食文化のすばらしさを発信してくれることを期待しています。


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