「こんなとこにも、SNET」「SAPICA」や気象システムの運用を行っているSNETさんへ伺ってみた!

今回は、札幌総合情報センター株式会社(以下、SNET)へ取材へ行ってまいりました!皆さんは、この会社ご存知でしょうか?札幌市の「SAPICA」の運用を行っている企業と聞くと、「あ!それ知ってる」と思われる方も多いのではないでしょうか?どんな会社なのか、なりたちは?等、代表取締役の可児さんに詳細お伺いしてきました!!!

設立の目的と現在の業務

入澤会長(以下、入澤):本日はよろしくお願いします!今回取材にお伺いをしたいと思った理由が、Facebookでとある方が、佐賀県の仕組みとして、「役所のシステムの権利を役所が買って保守を都度都度発注している」というスキームを紹介されていたんです。「札幌もこうすればいいのにな。」と思っていたんです。その後、同じ方が「実は札幌市も同じスキームでやっていて、その役割をSNETさんに持たせている。先進的にやっているのに、アピールしていないから誤解されてるよね」というようなお話が書いていたんです。そこで、「これは一回取材して、世の中の人に知って貰おう!!」というので、今回伺わせていただきました。

可児社長(以下、可児):ありがとうございます。よろしくお願いします。私たちSNETは、昭和63年に、国、札幌市、そして地元の企業が出資して設立された会社なんです。昭和58年に国が提唱したテレトピア構想をご存知ですか?その構想推進と、昭和60年に札幌市がモデル都市の指定地域に選ばれたことをきっかけに、第3セクター方式によって設立された企業なんです。

そして冬季道路交通情報システムや、コミュニティ情報システム、そして当時、設立されたばかりだったテクノパークを繋いで、大きな地域情報化構想を担っていく会社として設立されたのが始まりです。

💡テレトピア構想・郵政省(現、総務省)昭和58年に提言。
ケーブルテレビ、データ通信、コミュニティ放送等の情報通信メディアを活用して、地域の情報化を促進し、地域社会の活性化を図ること。 (参照:[https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/support-8.html])

💡未来型コミュニケーションモデル都市 昭和59年に提言。
第一次モデル都市は、昭和60年に全国20地域が指定され、北海道からは札幌市、帯広市が指定された。札幌市では都市問題対策型、先端産業型、コミュニティタウン型のテレトピアタイプが指定され、札幌市の目指すテレトピア構想を別名「スノートピア計画」という。

特に最初は冬季道路交通情報システムのうち、降雪予測システムと積雪凍結、感知システムの研究開発から初めて、その運営をしていました。そして、今も実はそこの部分ってのは生きていて、うちの会社には、気象予報士が6人いるんです。そして、マルチセンサーと言って札幌市内に46ヶ所、近郊を含めると61ヶ所にセンサーが置いてあるセンサーを基にして、札幌市内をメッシュにした降雪予測を出し、それを除雪センターに情報提供をしています。除雪センターでは、その情報をもとにして、除雪をいつスタートするのか等の検討をしているんです。

💡マルチセンサー
札幌市内および近郊に数km間隔で設置されたセンサーで、気温、風、雨量、降雪状況などをモニターしています。

💡気象情報システム「SORAMIL(そらみる)」
「SORAMIL(そらみる)」とは、札幌圏に特化した気象情報のオンライン提供システムです。専用回線で接続された専用端末で地域に密着したデータをもとに正確な気象現況と詳細な天気予報を提供いたします。

他には市内にあるロードヒーティングで道路にあるものはもちろん、横断歩道にあるものが市内に500か所ぐらいあるんです。その自動制御の管理をやっているんです。そういったものもやっているんです。それが最初の趣旨からつながっている冬季道路情報システムの運営です。

それ以外にも、最近は基幹系システムのような、札幌市の情報システムの保守管理のような仕事にもかなり力を入れるようになってきました。

札幌市の情報システムに力を入れるワケとは

可児:なぜ、基幹系など情報システムにも力を入れることになったのか。というと、行政って人事政策上どうしても人事異動がありますよね。3年から5年で異動になる。そうなると、IT分野って専門性が必要なのに、どうしても育たなくなるんですよね。そういう背景もあり、当社でセキュリティを含めた情報技術を蓄えて、行政を支援していくというのかな。情報系の第三セクターは全国的には例がないと思います。SNETが全国的にあまり例がない形で、札幌市に存在していたわけですよ。SNETには人事異動とかないですし、経営とか、人材、財政的なものも含めすべて札幌市が関与できる。そういう中でSNETで人材を育てながら、そこでのノウハウを札幌市へ還元して強力にサポートしていく、だからある種、第二の情報システム部みたいなイメージ。そういう役割になるべきだ、という風に平成17年の札幌市出資団体改革プランのなかで整理されたんですよね。

ー入澤:そうなんですか、ではそれ以来情報システムの運用や管理が増えていったんですね。ちなみに、SNETさんと競合する企業というのはあるのでしょうか?

可児:そうですね。今はどちらかというと情報システムの方が全体でみるとウェイトが高くなっていますね。基幹系システムに関しては著作権はSNETが持っていて、札幌市に使用許諾を与えている。そういうイメージで運用しているんですよね。競合に関しては、基本的には無いですね。平成17年の出資団体改革の時に役割を明確にした際、SNETは情報セキュリティや行政情報基盤にサポートも含めてその範囲に限定してやりますよ。という考え方で整理したんですよね。なので、基本的に他の企業が競合になるという事は無いんです。

ー入澤:なるほど。例えばマイナンバーですとかいろんなことが起こっていく中で、SNETとして、どんなビジョンを見ていらっしゃいますか?

可児:結局、自治体DXとかが求められている中で、デジタル庁を作りますという流れで、地方にも似たようなものを作ります。という流れが生まれてきますよね。そうすると、情報システムの標準化とかも始まって、そういった世の中の動向に対してSNETとして札幌市に対して適切なアドバイス/コンサルテーションができるようにしたいという風に思っていますね。ある種、札幌市がどう思ってるかはあれですが、、、一心同体的に向こう(市役所)に無い情報を私たちの方で仕入れて、そして一緒になって今後の札幌市の情報化施策をどうしていくのかを考える、そんな役割も期待されているだろうし、やっていきたいと思っています。

 たとえば今、行政のネットワークが3層構造になっているという風に言われていて、非常に使い勝手が悪いという状態なんです。ですので、セキュリティを確保した上で正しいネットワーク構成がどうあるべきかといったものも提案していきたいですね。

ー入澤:ありがとうございます。今日一番お伺いしたかった事なのですが、オープンデータや、コロナの混雑具合の可視化などが進む中で、地下鉄の混雑度合いをオープンデータとして、配布することは出来たりしないのでしょうか?

可児:大前提としてデータと言うものは交通事業者のものだから、そういうものは自由に使えないっていうのがあるんですよね。交通事業者も別にいいよっていう話になったときにどうなるかっていうことを想定すると、、、乗車データの提供って一度他の地域で大きな問題になったことがあったんですよね。個人情報の流出だという風に。その後、個人情報保護法が改正されて、ビックデータが使いやすくなったはずなんだけれども、乗車データについては、どういう風に使いやすくなったのかがまだ、よくわからないんですよね。なので、法律の壁をどうやってクリアするのかということさえちゃんと研究できれば、できるようになるのではないかという話を他の会議でもしていたりします。

ー新岡:話は別なのですが、御社が作られているSAPICAどうして、他の乗り物には乗れないのでしょうか?

可児:JRに乗れないのか、PASMOのカードはつかえないのか、さらに言うと、KITACAで地下鉄は乗れるのに。そういう話ですよね。相互乗り入れをするということは、Suicaの機能の大半をそのまま使うことになるんですよ。そうなると市民カードを目指していたにもかかわらず、行政施策や便利な市民サービスを付加するための自由度が大きく減少すると考えられたんです。つまり、図書カードとしても、敬老パスとしても使えなくなるかもしれないし、あくまでも交通カードプラス電子マネーしか使えなくなるという当時解決できない問題があったんですよね。最初は市民カードとしての利用があまりなかったので、それでもいいんじゃないか、という話があったのですが総合的に判断をして止めるか。となったんです。
 その後、ダブルポーリング方式といって、カードの機能はそのままで、地下鉄、バスの改札機の改修や、当社とJRの双方間の企業間精算システムを構築することによってkitaca、suicaは使えるようになりましたが、JR駅の改札機の改修ができていないため、sapicaが使えない状態が続いているということです。改札機の改修は非常に多額の費用が必要ですので、簡単には対応できないのです。

ー新岡:なるほど、ありがとうございます。なかなか簡単にはいかないのですね

ー入澤:気象情報データのオープン化はいかがでしょうか?気象系のAPIってすごく高いんですよ。せっかく札幌市が持っているのであればオープン化させるなどどうなんでしょうか?

可児:なるほど、気象データをオープンデータ化するという概念って、正直今までなかったんでちょっと検討をしようと思います。SAPICAもそうだし、他のシステムも建て付け的にはSNETはあまり主体性が無いんですよ。全部委託元なので。気象に関しても、センサーを持っているのは札幌市なんですよね。SNETがそれの運営をやってるんですよ。でも、行政が持っている情報はオープンデータ化するのが基本的な方向性なので、気象データのオープン化は可能性があると思うんですよね。いずれにしても、これから行政情報システムを作っていく上では、作る時にオープン化とか先立つことを念頭において作っていくべきだと思います。

ー今日はお話しありがとうございました。

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入澤の取材後記

取材を終えて感じたことですが、SNET社は札幌市がシステム開発を柔軟に対応していくために、とても必要な組織なのではないかと感じました。『役所の中では異動があり、人員が定着しない』という話が象徴的でしたが、ITは人がすべてです。SNETがあることで、良いIT人材を異動させることなく、育てられる点は、内製化しDXを進めるという観点において、非常に重要なポイントだと思います。

情報システム部門を民営化したという事は、市にとっては大きな決断だったと思います。HARPもそうでしたが、第三セクターとして、行政を支えるシステム会社を、今の時代に新しく作るということはかなり困難だと思います。ですが、せっかくある組織ですから、もっとパワーアップして、行政により活かして欲しいと感じました。

また、SNET社としても、いろいろやっていきたいという思いがある中で、法律の壁やプライバシーの壁など、中立的な立場を固持しないといけず、もどかしさを感じている気がしました。その点に関しては、現在国でも議論されている、個人情報保護法の改正がされることで、少し光が見えるかなと感じています。

札幌市も、新年度から新たにデジタル改革の司令塔として「デジタル担当局長」を設けることが決まっています。100人規模の体制で、情報通信技術を活用したまちづくりの推進や、システムのデジタル化に取り組んで行くそうです。今後の行政のDXに期待していきたいと思います。(入澤)

文、編集、写真:新岡唯

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