医療×ITで築く未来。part1

「AIもICTも時計台記念病院での導入はまだまだ発展途上です。」と言うのは、今回取材に快く応じてくださった、社会医療法人社団カレスサッポロ時計台記念病院の院長である、藤井先生です。

時計台もほど近い、創成東地区にある時計台記念病院にて、AIやITの導入が積極的に行われているという情報をキャッチし、入澤会長と共に訪問し、お話を聞かせていただきました。

聞くところによると、同病院のITを推進しているのは1人の臨床工学技士だというではないですか。

なぜ、臨床工学技士である彼がAIの推進をすることになったのか、そして、医療×ITというフィールドでは、どのようなものが今後必要になってくるのか、勉強になりっぱなしの1時間でした。今回も余すところなく、フルバージョンでお伝えさせていただきます!!!

是非お楽しみください!!

全然先進的じゃなかったAIやIT導入からなぜ。

「AIもICTも正直言って時計台記念病院は先進的ではないんですよ。」と言うのは、今回取材に快く応じてくださった、社会医療法人社団カレスサッポロ時計台記念病院の院長である、藤井先生です。

今回、インタビューに応じてくださったのは、カレスサッポロ時計台記念病院の、院長である藤井先生、診療技術部部長である小島さん、臨床工学技士である遠藤さんの3名です。

その中でも、遠藤さんはご自身でAIシステムを設計構築され、実証の段階まで行われているというのです。なぜ、臨床工学技士である遠藤さんがシステムの構築を行うことになったのでしょうか?事の発端と、今同病院で行われているICT関連について伺いました。

藤井美穂 / 1953年生まれ。札幌医科大学医学部卒業後、同大附属病院産婦人科勤務。その後、留萌市や江差町で産婦人科医長を務める。07年にサッポロ時計台記念病院女性総合診療センター長に就任し、20年1月から現職。

院長:なぜ、(プロジェクトのお願いをしたのが)遠藤君だったのかというと、雑談しながら、彼がAIやICTについて話してくれて。基本的に私は、若い人の力を伸ばしたいと思っているんですよ。若い人に対して、「ガンバってやったら」「それ応援するよ」っていう想いがあるんですよね。病院は多職種の能力の集合体ですが、他の職域スタッフが何を考え、どんな仕事に取り組んでるか、あまりわからないんですよ。病院が進化するためには、いつも新しい能力の発掘が必要なので、やはり若い能力ある人を、どうやって見つけてあげられるか、そこの支援がしたいな、っていう想いの一つがこれ(AIやITの積極活用)だったんですよね。

ー今医療業界では、IT関連のプロジェクトが多く動いている中で、新型コロナウィルス禍で導入や活用が促進されている物が、画像診断だと藤井院長は言います。

藤井院長:医療界にICTってのは必須で、特に広大な北海道ではICTを使って患者さんの情報を共有し地域全体で医療を守っていこうというような動きは道内でもたくさんでていますよね。その中で、当院では、AIがスクリーニングで胸部写真の読影をして、そのあとうちの呼吸器内科の専門医が、詳細の診断をするという形が、9月にはスタートする予定になっていますね。具合が悪い患者さんに微熱や咳があったり、ちょっと呼吸が苦しいという症状があれば肺炎の診断ができたほうがいいに決まってますよね。

呼吸器内科の専門医は、内科のなかでもとても少ないんですよね。

もちろん、専門家がしっかりと(対面で)診てくれるのがベストではありますが、なかなか難しい。そこで、初期スクリーニングとして『AIを用いた画像診断を』というのは非常に有用ではないかと思うんです。AIやICTの発展は新型コロナウィルスの影響下で、普通であれば十年以上かかるものが、一年に凝集されましたよね。

北海道の医療とITの現状

ーお話を伺う中で、藤井先生は北海道医師会、そして日本医師会の理事として面で見る地域医療についても言及されていました。

藤井院長:AIの力をかしてもらわないと、特に北海道は広域ですよね。北海道って四国4県と九州7県、そして岩手を入れた面積に匹敵するんですよ。その広域エリアの中で、北海道道民の47%が札幌市民という状況なのですが、医療従事者、特に医者の52%が札幌集中なんですよ。一般道民よりも医師の方が札幌に集中しています。地方では医療はセーフティーネット以外では生業として継続していくことがしだいに難しくなる状況にあります。地域住民は、医療や教育を受けるために地域の拠点に住居を移し始めてる現状があります。

たとえば坂の町である小樽では、高齢化が進み坂の上の住民からの移動が難しくなる。だから病院周辺のマンションに移動しはじめているといいます。また道東の方でも、同様の動きが、既にでているんですよね。

また救急搬送の問題もあります、救急車搬送は本州では100km以内が普通です。北海道では、2倍の距離で搬送しなきゃいけない。そういう中では、お産の例で新生児死亡や母体が重症になったりする例があるんです。

医者がいない地域で、患者さんのバイタル(心拍数・呼吸(数)・血圧・体温)データや心電図画像データをICTを用いて、『この症例は搬送ね。緊急性が必要だよ』っていうような形で臨床応用できればいいですよね。また、このような地域でAIによる診断も有用かもしれませんね。

藤井院長:例えば年齢性別入れて症状を入れれば、あなたはこういう診断名です、そうして診察を受ける必要が「あり/なし」という内容、そして、それはどこの診療科にいくべきか。

「婦人科です、外科です」っていうところまで最終的にデータを入れつづけるとでてくるようなプログラムがすでに出来上がっています。新型コロナウィルスの流行が始まってからこのような試みがされるようになりました。医療現場では、そういうAIを作りはじめる人達たちがいて、形ができ始めているんですよね。

北海道Society5.0と遠隔医療の行く先は

入澤会長:北海道Society5.0ってありますよね。病院を中心にした街づくりって非常に面白い発想だなっておもったんですよね。住所を病院の近くにって。病院に求められる機能ってどういうものが、今までのお話の他に考えられますか?また、遠隔医療はどうやったら進む、もしくは何が障害になっていますか?

藤井院長:そうですね、まずは医療ですよね、それから介護もそうですよね。それから教育もそうですよね。

入澤会長:教育ですか!!!

藤井院長:そうです、教育です。予防医学に力を入れるべきです。未病のうちから、いかに(予防のための)教育をするかっていうことですよね。だからそこには、栄養士が必要で、場合によっては学校の先生や養護の先生も組み込んだ形の健康教育って絶対必須だなって思っています。実際生活していくときに、運動が必要でしょ?それから、栄養が必要でしょ?それから、メンタルをサポートしたり、レジリエンスをいかに強くしていくのかという教育をする必要もありますよね。

二番目の質問のICT化への障害になるものですね。遠隔医療(オンライン診療)で初診をするという事に、なかなか医者たちが、「オンライン診療をやりますよ」って手を上げない理由っていうのが、やっぱり、患者さんの主訴以外にも、直接目で見て肌の色や、息の仕方など(ノンバーバルな情報)を見て、すべてひっくるめて診察する必要があるんですよね。画像だけでは診られない、伝えられない情報があり対面しなければ、診察は難しいんですよね。

だから、そういった意味では、いくらICTが進んでいても、診察には(ノンバーバルな情報)そういった情報が絶対必須なんですよね。ただ、患者さんの実際の様子を診るのは医師だけでなく、地域住民と密着していて、医学的知識を持っている人であれば、保健師さんでもいいし、看護師さん、薬剤師さん、理学療法士さんでもいいと思ってるんです。

医療がしっかりわかって、その患者さんのことを分かってくれる医療者が居て、医療が必要かどうかっていうようなことを判断できる人がいればいいのかなって。

だから遠隔治療の課題は、オンライン診療をやる医師の存在と、そういう的確な知識とやる気がある人をその地域の中で確保したり、育てたりするというころが課題になると思うんですよね。

あとは、各医療機関が利用しているソフトや基幹が違うので是非統一しなきゃいけないですね。厚労省のほうでは、ビッグデータを統合するようなシステムを作っていますが、なかなか大変です。すでに既存のICTが、各病院や医療ネットワークでできあがっているので、既存のシステムから切り替えられるかということがすごく問題になっているんですよね。

どんどんそれが利用されればされるほど、データが大きくなるから移行ができないっていうのがあるんですよね。だから、本当はICTを各地域がそれぞれ名前を付けて持ってるじゃないですか。でもあれは、スタートの時にやがて統合するんだっていうコンセプトで作るべきだと私はずっと思っています。

新岡:北海道だからなおさらですよね。一次診療のときに、ちゃんと一次医療から高度医療のところまでつなげられる情報をつくらなきゃいけないですよね。地方で作ってください!っていうお話にはならないですもんね。

藤井院長:そうなんです。三つ目の問題はセキュリティーの問題ですよね。そういう全国共通となったときに(セキュリティーを)どうするかという話ですよね。マイナンバーカードに健康保険情報を統合させるという計画もあり、この場合に、セキュリティーの弱いところで使ってしまったら、個人情報データが全部引き出しされてしまわないか、というのを含めた問題もあるし、セキュリティーがすごい難しい。

入澤会長:いや、なかなか聞けないですよ。これはいい。なるほどわかりました。ではITの本丸のほうへ。

ーということで、医療×IT、北海道×医療×ITと、いろんな社会問題がクロスする中で見えてくる医療とITの関わり。みなさんはどう受け取られましたか?次回、満を持して臨床工学技士の遠藤さんが登場し、同病院で運用予定のAIを活用したシステムについて教えてくださいます^^

ぜひ、お楽しみに!!!

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