コープさっぽろがDXで目指すもの

まさかの転身。メルカリからコープさっぽろのCIOへ。

生活協同組合コープさっぽろ
最高情報責任者 CIO、デュアルカナム株式会社 取締役社長
長谷川秀樹さん
プロフィール


1994年にアクセンチュアに⼊社後、国内外の⼩売業の業務改⾰、コスト削減、マーケティング⽀援などに従事。2008年に東急ハンズに⼊社後、情報システム部⾨、物流部⾨、通販事業の責任者として改⾰を実施。デジタルマーケティング 領域ではソーシャルメディア活⽤を推進。システム領域では、レガシーシステムを完全クラウドコンピューティング化・自社開発化をし、コストをかけずにシステム開発ができる体制を構築。その後、オムニチャネル推進の責任者 となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変⾰を推進している。2011年に同社執⾏役員に昇進。2013年ハンズラボを⽴ち上げ、代表取締役社⻑に就任。18年10月よりメルカリ CIOに着任。19年11月に独立し、20年2月より、コープさっぽろCIOとしてジョイン。

長谷川さん:ICCという、ベンチャーの社長やら、CIOや事業開発責任者が集まるイベントがあってそこに参加をしたんです。

自分自身キャリアが、小売で長いこともあって、小売業の方々と名刺交換をその場でもさせてもらっていたんですよね。そうしたら、なんか「コープさっぽろ」っていう人がおるなぁと思って、名刺交換をさせてもらったのがきっかけなんですよね。そこから、「一度、東京で話しませんか?」って、対馬さんから言われて、一時間ぐらいかな、ワーワー話をしたんだよね。そしたら「長谷川さん採用!」って、急にこの人(対馬さん)がいうもんだから、

「この人、僕のことよくしらないのにやばい人だなぁ」

って思ったよね(笑)一度、北海道へ。となって、色々事業の話をしたりしていて、現場を回っていた時に、リサイクル施設に行ったんですよね。段ボールとか、衣類とかの。リサイクル工場だからすぐクズとかで、汚れちゃうのに、凄くきれいにしていて。僕だったら一日の終わりに掃除するけど、ここの工場の人たちはずっと掃除しててさ。なんか、すごいな。ちゃんといい人たちが多い会社なんだな。って気がしたんだよね。

事業体っていう所でいうと、OMO※1って言葉があるんだけど、知ってますか?
※1Online Merges with Offline

オムニチャネルとか、オンラインとかオフラインの融合という意味を指す言葉なんだけど、コープはダイヤモンドの原石だなって思ったんですよ。

どういう説明が正しいのかは、正直分かんないんだけど、今のスーパーというのは、ネットスーパーをどこもやっている。でも、小売で店舗をやっているものに、後からアドオンでデリバリーを付けたんだよね。
だから、デリバリー部分がコストになって赤字なんですよね。Amazonの流れがあって、「発注してすぐ来るのが正解だ。お客さんも求めてるはずだ」って、これもコストアップの原因なんですよね。当然ながら。

そこでコープに話を戻すと、コープすごいなー。って思ったのは、注文は、一週間前まで。住所を伝えたら●曜日の〇時に配達しますね。って勝手に決める。なんて乱暴なサービスなんだなんだ。って思いますよね。今は、少しずつ改善されてきてるけど。通販は置き配がダメな時代が長かったけど、コープは置き配が出来るんですよね。今のスーパーってそういう、(コープのような)やり方が無理なんですよ。

頭では分かってるんですよ。コープのようにしたほうが良いっていうことも理論上は分かってる。それでも、経営会議には通らないんですよね。

ー今までとは違うやり方になる。
ーそんな失礼なことできるわけないだろう。
ーお客さんからクレーム来たらどうなるんだ。

ってなる。

なんでコープのような業態が良いかというと、一週間前に発注されたその分だけ、用意して、配達すれば良いんだよね。その分、ロスがない。お客さんから急にほしい!って入るよりも、計画的に「欲しい」人の所に供給する。ってしたほうが良いに決まってるんですよ。ビジネスをやっていく人からすると。

(コープさっぽろは)物流基盤というか、お客さんとのパイプラインというところの基盤を、一番しっかり持っているんですよね。なおかつ、店舗もやりながら、旅行から保険から何から、まさに「ゆりかごから墓場まで」いろんな子会社、いろんな事業をやっているんです。世間一般の小売業者が目指している「オムニチャネルの生活総合業態」や「顧客中心業態」だと思うんです。小売の理想ですよね。

でも、もともとのスーパーマーケットだとこうはいかない。でもコープは上手くいってる。これを磨き上げれば、次世代の対消費者産業としてビジネスとしてもトップが取れる。まさにダイヤモンドだ。って思ったんですよね。

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